「指輪戦闘シュミレーター 〜 1000人戦士集団戦闘 」開発記紹介

はじめに

2016年3月30日にフィージビリティスタデイ(FS)開始して2016年5月26日に申請していますからちょっと古いですけれど、敵味方で総勢1000人規模の合戦を行うファンタジーバトルゲームです。 全く流通していませんが、自分的にはかなり好きなアプリです。

ここでは開発するという視点で制作記を書いてみたいと思います。アプリ自体の説明については、お手数ですが下記のAppStoreの情報を見てみて下さい。

  指輪戦闘シュミレーター 〜 1000人戦士集団戦闘 

     

本アプリの内容紹介

どたなも知らないでしょうから、一番アプリの内容がわかる紹介ビデオをここで提示させて頂きます。青色の兵士たち(味方)とオレンジ色の兵士たち(敵)が入り乱れてリアルタイムの合戦を行うアプリです。11のステージに分割されていて、ひとつずつ勝ち進んで最後には敵の巨大城を破壊するという壮大なシュミレーションバトルです。人気ほぼゼロですけれどね。

ビデオの10~13秒付近で巨大な隕石砲弾が飛んで行って敵兵士たちが吹っ飛ぶシーンがありますが、このシーンが最初にできてちょっと満足していろいろなシーンを付け加えました。

11の戦場が存在しますがこれはUnityの地形オブジェクト(Terrain:テライン)を活用しています。ひとつの大きな地形を箱庭的にとらえて山脈で11の戦場に分離された世界を構築しました。プレイヤーはこの11の戦場を順番に後略して合戦をしてくことになります。17~22秒付近はこの世界の中心部にある大きな山脈の中の狭い通路を兵士たちが駆け上るシーンです。

最終的にはビデオ22秒に登場する巨大な敵の黒城の存在する広い平野へと到達し、敵の城のある山を兵たちがよじ登って行って最後の戦いを仕掛けるという内容です。ビデオ29秒では最終的に敵のリーダーを打ち倒し結果として、敵の黒城が崩れ落ちるシーンとなっています。

大変迫力ある映像と音で良いかと思ったのですけどまあ本当にどなたも遊びませんでしたね。まあこの1年で5000ダウンロード弱というところです。

フィージビリティスタディ(FS)で使ったアセット達

Unityアセットストアでchanfortさんが公開されている無料のuRTS関連アセット達がとっても自分の想像魂を刺激してくれました。なんといっても非情に多くの兵士たちがリアルタイムでごりごり動いて蟻の行列のような動きを見せてくれるのです。完全にこれにはまりました。

ところがこのアセットの中身(スクリプト達ですね)を見るとなんかちょっと難しい。なので、自分でスクリプトを創り始めました。

兵士たちは3Dメッシュではなく、2Dスプライトをビルボード(常にカメラのほうを向く2Dスプライト板)的に配置したものです。そしてそのスプライトをあらかじめ準備されたスプライトアニメーションで動かします。メッシュのアニメーションするキャラクタの動作する姿のイメージをキャプチャしてスプライトメッシュ(複数のスプライトからなるアニメーションスプライト)を自動作成してくれるツールがあってこれを活用させて頂きました。

最終的になんか全体がくすんだ色になって兵隊がわかりにくくなってしまったので赤と青というわかりやすい色に統一してアプリをまとめました。結果的にはこれがリアルさを奪ってしまいましたでしょうかね。

登場するモンスター(敵のリーダー)は下記のアセット(ちょっと変わってしまっているようですけど)を活用させて頂きました。アニメーション付で他のアプリにもいろいろと活用できて使いやすくて重宝しています。Maksim Bugrimovさん、素晴らしい。

このパーティクルアセットはすばらしいです。隕石魔法の砲弾を最も活用させて頂いていますが、ゴール到達の魔法陣表現も使わせて頂いています。紹介ビデオの中で見れますので参照してみてください。

メニューでのGUIは前にも紹介しましたが、下記のFantasy Game Interfaceというすばらしいアセットを使わせて頂いています。このアプリが最初に使用させて頂いたアプリです。美しくて雰囲気のあるすてきなアセットです。


なんでこれを創りたいと考えたのか

リアルタイムシュミレーション世界構築を考えるときに、何といっても多数の要素(この場合には両軍の兵士1000人)がそれぞれ自律的にリアルタイムで動き回るというのはある意味理想です。「航空母艦決闘空間1942」でも1000を越える構成要素を同時に多数自律的に動かすことがどうしても自分的にはやりたいことなのです。

大きなグループとしてトップレベルとしての状態遷移があり、その下に幾つかのグループとしての状態の遷移、そして個々ひとつひとつの状態遷移がある。そして膨大なイベントとプレイヤーの意思によってその世界すべてが動かされる。これがリアルタイムシュミレーションワールド構築の醍醐味です。モバイル機器のアプリとしてはあまり適しておりませんが、機器のものすごい性能はこの新しい世界を求めていると勝手に信じております。

各種シーンの創り方

を書こうかと思いましたが、あまりに多くの機能がありますので、やめにします。簡単に機能を紹介させて頂くだけにします。気になる機能等がありましたら別途質問頂ければと思います。

操作系:

「戦艦決闘空間」のバリエーションで創りました。コマンドパネルを通常は隠しているのが操作がわかりにくい原因かも知れません。機能が多すぎたのでこうしたのですけど、これは不親切だったですかね。味方の数百人を越える兵隊たちを指揮官のリアルタイムのコマンドで自在に動かす必要があるためです。

コマンドパネル展開例:

戦闘中にコマンドパネルを全部展開してスクリーンショットを撮りました。なんかややこいですね。

敵軍のリーダーであるモンスターを攻撃している瞬間

青の味方兵士が少ないのですが、敵リーダーであるジャガーノートを隙をついて攻撃している図です。でもこれはすぐにやられてしまいそうですね。この場所は敵の最後の黒城の下の平野です。モルドール前のバラドドゥーアの下ということになります。がんばりどころです。

広大な敵国領地構成

5つ目とかの戦場を超えた先にある高い山脈の中にある道です。プレイヤー操作のリーダーに兵士たちはついてこれていません。とにかくこのエリアのゴールをゲットしたいということで突き進んでいます。緑色の霧が出ていますね。

メニュー画面

本アプリのメニュー画面です。uGUIで創っています。5つの能力を司る指輪をプレイヤーが所有して能力を向上するという構成です。右側に10個のエリアが示されます。10番目のエリアはここでの戦闘に勝利すると山の上にある黒城から最後の敵軍が出てきて11番目の最終決戦が始まります。こんなん良く創ったよなと今書いていて思います。

最後に

3作目のアプリであり、結構規模も機能も大きかったですが、かなりの速度で創り上げることができました。ごく一部のユーザーの方には気にいって遊んで頂いておりますが、基本はまるで流通していないというところでしょうか。1年後程度に難易度を圧倒的に優しくしたりしていますが、まあプロモーションせずに進めている中での累計で1万ダウンロードというとろこです。使い方の説明が舌足らずである上に、とっつきにくかったためか、遊びこむユーザーの数はかなり少なくマネタイズ的には残念な結果となっています。

ただ自分では結構好きなアプリで、特に最後の敵の城を攻略するシーンでの全軍突撃はなんか楽しい感じでした。ただ、この1年程度はテレビでも多数の童謡のリアルタイム合戦アプリや攻城アプリが広告されていますので最早このアプリの意味は薄いでしょうかね。

もし万が一、このブログをみてちょっとは遊んでやろうかと思われたかたは、かなり簡単目に調整されていますので、最初から隕石砲弾を打ちながら敵の城の攻略を行ってみて下さい。

以上